五月晴れも空の下、爽やかな山歩きを楽しんだ
5月15日 横瀬二子山 33名


 二子山MMCは5年前、10年前と2回実施している。急坂の一気登りと雌岳から雄岳の間の岩場など結構厳しいところもあるが必ず満足できるお山である。でも山頂は林の中で東屋などはない。雨が降ったらどうしようとの心配もあったが、天気予報では気温が例年より低いものの快晴のようだ。

 車窓から見える藤の花が最高だ。山肌に薄紫の花穂を長く垂らして存在感を誇っている。芦ヶ久保駅に9時29分着の電車で殆どの仲間が降りた。一台前の電車で来ていた松原さん、秋本さん、杉本玉樹さんが迎えてくれた。恒例の参加者点呼をすると総勢33名である。みんなこのお天気に誘われて嬉々とした顔で期待感一杯だ。


雑木の茂る山道を登り始める

 駅前から線路に沿って道の駅の裏側を通り、線路下を潜るといきなり山道に入る。前回来たときにはこの付近におかしな人がうずくまって寝ていたので心配したが今日はそんな変なことはない。雑木に覆われた沢路はじめじめしている。気温は低いのだが登りだすとやはり身体が熱くなってきた。早速、衣服の調整をする。半袖シャツ一枚で登りだす。
 新しい看板が立っている。『横瀬二子山 学習登山コース』とあり、「LESSON2」と書かれていた。どこかで「LESSON1」を見落としてきたようだ。LESSON2には以下のような書かれている。



『時間経過と方位、現在位置の確認』
 1. 登山を開始した時間を記録していますか?
  時間経過を把握していなければ計画が狂い、
  日没で の行動不能などに繋がることがあります。
 2. 北はどの方向ですか?
  人間の方向感覚はあてになりません。
  コンパス(方位磁石)で北を確認しましょう。
 3. 今、尾根上にいますが、地図上でたえず現在
  位置を必ず確認するとともに、分かれ道(分岐)
  の先は何処へ行く道なのかを知っておくことが
  必要です。
 4. 登山開始して10分程と思いますが、暑いと感じる人は衣服を調整し、靴紐の緩みなども点検しましょう。

 MMCの常連さんは絶えず上記を確認していながら行動しています。でも、各自で事前に地図と時間を確認して山の様子をイメージしておくことで、シンドさは半減し、楽しさは倍増することを保証します。(森本さんは立ち止まるとすぐに現在位置と時刻をメモしているようです)

 沢沿いの道が徐々に急坂となってきた。汗ばんでくる。LESSON3『山の雑学』が現われた。
 1.山の気温は、100m登ると平均して0.6度下がります。
   現在の高度から『二子山』山頂の気温を予想しましょう。
 2.登山中の休憩は、40分〜60分歩いて10分の休憩をとりましょう。
 3.山では様々な地形があります。
   稜線(尾根)、谷、岩場、ガレ場(岩がごろごろしている場所)。
   現在位置の地形は「谷または沢筋」です。

 今日は汗ばんでは来るが気温は高くない。多分15度程度だろうから山頂は883m、5度下がるとして10度程度か。少し寒いだろう。
 30分ほど上ったところの「兵の沢」小休止を取ることにした。LESSON3では休憩を10分と書かれているが長く休むと汗ばんだ身体が冷えてしまうので今日は5分位が良いだろう。
飲めそうな沢水も流れている。LESSON4は『緊急時の連絡方法』が掲げられていたが、ここでは省略します。


兵の沢で5分間休憩をとる

 5分間休憩を終えて歩き始める。目の前の沢に腐った丸木橋と新しい丸木橋が整備されている。あなたはどっちを渡りますか。
 LESSON5『落石の危険と回避』も省略です。ただし落石は加害者、被害者紙一重です。十分注意しましょう。


尾根道は楽しい


 

 

 


 急坂を進むとLESSON6『ストックと雨傘』があった。ストック使用上の注意では両手を使うような岩場ではストックを収納しましょうとあった。私は考えなくてはならない。もう一つ、登山中に傘をさして登ることをいなしめています。ちょっぴり耳が痛いものがあります。


雌岳までもう一登りだ

 しばらく穏やかな尾根道が続き、いよいよ木の根が張り出した急坂が目の前に現われた。見上げると緑の雑木林の中にかなり上まで続いている。伊豆が岳の泣き泣き坂より長そうだ。でも太いロープが道案内をしてくれるので安全でもある。左手でロープを掴み、右手でストックを操りながら登る。グングン登る。後ろから篠田さんが"そら、もうすぐだ"と気合をかけている。まだ続く。およそ10分間程度だっただろうか尾根に出た。後ろを振り返るとみんながロープに沿って延々と登ってくる。祐子さんの顔が見えたので写真を撮ろうと構えたらお隣に並んだ人が分からない。MMC仲間だと思っていたが若者が追い抜こうとしていたようだ。



先頭を登る

次々と登る

見た目よりずっと傾斜がきつい

もう一息だ

 一気登りのあと、二子山の始めのピーク・雌岳に着いた。道標には二子山(雌岳)882.7mと書いてあるが、実は882.7mは二子山山頂(雄岳)の標高である。カシミールによると雌岳は雄岳より約10m低く表示されるから、ここは多分873m程度だろう。
 雌岳の頂上では5年前と同様に「女性陣」だけを撮影しようと出発時に話したら、今回は「男性陣」だけを撮影しようよと澁井さんの発言があった。そんな訳で今日は「男性陣」をと思い見回すと男性数名がまだ登ってこない。そんなこんなで今年も「女性陣」の撮影会となり、そのあと揃った男性陣もおまけに撮影された。



雌岳の女性陣(クリックすると拡大します)

雌岳の男性陣 (クリックすると拡大します)

雌岳を降って雄岳に向かう

 本当の二子山山頂(雄岳)は目と鼻の向うのピークにある。3mほどある垂直な岩場を下ってから再び急登するとそこが雄山である。ピークの向こう側の林の中に広場が展開していた。
 早速イベントの準備に取り掛かる仲間を見ながら北側を見渡すことのできる一角に来て展望した。左手にあの武甲山が階段状に削られた痛ましい山容を見せている。

LESSON7『山々を地図とコンパスで確認しよう』
 1. この場所に三角点が設置されているでしょうか。
 
 地図上では、三角点がどの様に表示されているか確認し
  ましょう。
 2. ここは、視界が開け景色の良い場所です。
  地図を出して確認しましょう。
  Q.北方に市街地が見えますが、どこの街でしょうか?
  Q.西側に削られた山が見えますが、山の名前は?
  Q.両神山はどこでしょう?
  Q.浅間山(長野県)は見えるでしょうか?

 正面には軍艦のような両神山がドッシリ浮かんでいる。その右側にふた瘤のような埼玉県にあるもう一つの二子山を見ることができた。大腿骨骨折前の2年半前に登ったときのトレッキーな岩場の連続を思い出した。浅間山は長い裾野が特徴で遥か遠方に本当に薄っすらと見えている。


視界が広がる横瀬の街と周囲の山々

 イベントが始まっている。澁井さんの鍋のほか、シェフの北村さん、澤田さんが張り切っている。今日のお鍋は「MMC鍋」(醤油味)だ。毎回、イベントの出し物を考えるのだがもうネタがない。思い余って今回はMMC鍋=曖昧鍋とした。これは正解だった。適当な食材を入れて醤油で味付けするのだが3人のシェフが腕を競っているのでどれも美味しい(・・・らしい。私は2つの鍋を頂戴しました)。


MMC鍋が始まった

まだ具が沢山あるよ

お酒が並んだ

ご馳走も並んだ

 お酒も並んでいる。久々に参加した須田(さん)は例によって箱赤ワイン、冷えていて旨い。
 亀さんもいつものフライパンでエリンギを炒めている。ご馳走も一杯だ。千葉さんは八ヶ岳で採ってきた「ワラビ」をオシタシにしてどっさり、そして自宅の畑で採れたスナックえんどうもどっさり。そうそう須田が自分で炊いたというタケノコご飯も立派なものだ。森本シェフも何やら作っていたが賞味することはできなかった。次回よろしく。
 気温はやはり大分下がっているようだ。Tシャツの上に長袖シャツを一枚羽織って丁度良い。風が冷たく感じる。


こっちの水は甘いぞ

こっちのコーヒーもうすぐよ

 あちらこちらで談笑が起こっている。三つのお鍋も殆ど片付いたようだ。雄岳山頂に行って集合写真を撮った。黒田コーヒーを頂いていよいよ下山開始である。


二子山(雄岳)三等三角点(882.6m)で集合写真(クリックする拡大します)

雄岳を降った直後に事故が起きたようだ

 雄岳から雌岳に戻るため、往きの急登は急坂下りとなる。先頭で下りて垂直の岩場を這い登ったとき後方でバキッ!と音がした。同時に数人の叫び声が聞え、何かあったなと心配した。次々と降りてきた仲間によると黒田さんが掴んだ木が折れて転がり、支えようとした小菅さんと一緒に数メートル滑落したらしい。どうやら怪我はなかったようで先ずは一安心。
 山頂にあったLESSON8『下山時の注意』には次のように書いてあった。
 1. 下山コースは、兵の沢コースと浅間神社経由コースがあります。地図で下山コースをもう一度確認し、どの様な地形を下降するのか確認しましょう。
 2. 登山事故の80%が下山中に発生しています。下りでは靴紐を強く締め(緩いと足の爪を傷める)、スリップ転倒しないように歩きましょう。


自然の岩室があった

 比較的緩やかな尾根道を下っていく。自然の石室の横を下っていくと杉の木が何本も根こそぎ倒れている。葉が青々しているところを見ると倒れてから間もないのだろう。先週の強風で倒れたのかもしれない。それにしても杉の根っこの浅いことに驚く。
 淡々とした山道を歩いていると恭子が5年前に二人で下見に来たことを思い出させてくれた。この先の下り道が行き止まりになっていて、浅間神社への下り道を探したことである。そうか、ここだったか。見ると木に止まっていた小さな道しるべのあったところに立派な道標ができていた。そして真っ直ぐ下る道には×行き止まり」と書いてあった。


5年前にはなかった道標が整備されていた


 冨士浅間神社があった。狭い場所に先客もいたのだが、ここで小休止することにした。
 ここから急坂が始まる。道は小石や砂地で覆われていてとても滑り易い。慎重に慎重に降る。両足に力が入る。汗ばんでくる。細かい道をジグザグに下る。周りの景色は余り目に入らず足許に注意を集中する。でも時おり藤の花穂が目の前に現われホッとさせられる。急坂を下るのは早い。15時30分、下り終点の線路脇の鳥居まで降りてきた。この最後の道も谷側に傾斜していて滑りやすい。でも次々と笑顔で降ってくる。前回、黄色い声を盛んに出していた(小松)美枝子さんの声は今日は聞えなかった。


美枝子坂の名前は返上しました?

 あと数人で全員到着と思ったとき、みんなの悲鳴のような声が上がった。誰かが足を踏み外したのか崖を転がり落ちてきた。およそ10m、ごろごろと転がって停まったのは松岡さん。すぐに立ち上がったので大事はなかったようだ。松岡さんの周りに集まった人で帽子とメガネを探したが、それらもすぐに見つかった。先ずは良かった。

 線路を潜って車の多い国道299号線を歩いて芦ヶ久保の駅に向かった。15時55分、駅の手前の道の駅で解散することにして時刻表を確認すると16時09分の上りがある。急ぐ人はこの電車で帰ることになったが殆どの人は次の41分まで生ビールで反省会をして今日の仕上げとした。

今回の事故の顛末をMMC全員の教訓にすべく、ご本人の了解を得て載せることにいたしました。

黒田さんからのメール
下山で転倒しご心配を掛けましたので反省をしてみました。思い当たるところとして
1)老年のボケによる手足のコントロールが遅く甘くなっている、
2)登山能力を過信していた、(下りは得意さ!が危ない)
3)左手の握力が落ちている、(手に頼らず脚で着実に下る)
事の始めは階差のある所を下りたとき、ふらついたので、左手で十センチ位の太い木を掴んで次のステップに下りようとしたとき掴みきれず手が滑り、不安定になり前に倒れかかったその時、二歩前に十センチほどの太さの三本の桜の様な木が立っているので真ん中の木を便りに体を預けるように倒れかかったところ、実は枯れ木でポキッと折れてしまい、小菅さんを巻き添えに転んでしまいました。小菅さん失礼しました。怪我は有りませんでしたか?
一日明けた今日右脇腹が痛みます、頭のこぶが血豆になりました、明日整形外科にでも行ってみようかと考えています。

小菅さんからの電話連絡
今朝起きたら首に違和感があり、軽い痛みがあったほかはどこも異常はないようです。首の痛みは少し様子を見ようと思っています。

松岡さんからのメール
花粉症の休眠あけですっかり足腰が弱り果てていたところにゴールが見えてついつい気が緩みよそ見をしてしまい無様な姿をお見せする羽目になりました。長年の山行でも初めての体験でその瞬間は自分でも何が起きたのか良くわかりませんでした。何事も油断した時が失敗の始まり。大いなる教訓を受けました。幸いにしてかすり傷一つありませんし、どこも痛くはありません。これに懲りず、かつ教訓として来月のMMCにも参加したいと思っています。

 


今日歩いたコース(平井さんのGPSにて)
(沿面距離約5.7km 累積標高(±)618m カシミールより)


写真提供:篠田、田中、北村、澁井、平井、恭子小川

報告:小川 武